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比嘉の計量失格は「誰が悪い」という論調で語るべきでは無いと思うのですが、いかがでしょうか?

黒髪のかねろ@maestrito_pixieです。

比嘉大吾の計量失格は「誰が悪い」という論調で語るべきでは無いと思うのですが、いかがでしょうか?

 一番起きて欲しくないが、起きるだろうと感じていた選手で起きてしまった印象さえある。比嘉大吾はいつか階級を上げなければと言われていた選手だ。減量苦は以前から伝えられていた事でもあった。最終的にフライ級でも行けると判断した具志堅会長への批判は避けられないだろう。



 ただし、その判断に対して従ったのは紛れもなく比嘉であるし、トレーナーの野木丈司氏である事もまた事実である。最終的な選択は当たり前だが比嘉大吾本人にあるのだから。
 実際にドーピングや計量における対策を行っていた矢先だったJBCも大変落胆せざるを得ない形だったはずだ。15戦連続KO勝利という輝かしい実績と、そのパワフルでド派手なスタイル。間違いなく日本のボクシング界において人気を再燃させるだけのポテンシャルが十分にあっただけに私自身も大変残念だ。



 恐らくは「具志堅が悪い」とか「比嘉が悪い」と語られるであろう今回のトピックス。だが、問題なのは「誰が悪い」という表現では無く改善をしなければならないという事だ。

ボクサーの減量は、あまりにも過酷だ。



 例えばだが、フロイド・メイウェザー・ジュニアは、現役時代は常に体重を66キロ前後でキープしていた事は記憶に新しい。これはウェルターとスーパーウェルターの2つの階級に適応させる為と言われていたが、やはりメイウェザー自身がベストの体重を知っていたからであろう。彼が減量で過ちを犯したのは、ファン・マヌエル・マルケスとの対決の時だけだった。相当な体重管理と自己管理を行っている事が窺える。
 だが、ボクサーにとって減量というのはただのダイエットとは違う。これは亀田興毅がダイエットのコラムを書いていた時に言っていた話だが、ボクサーの減量は相当過酷だ。脂肪を1キロ分落とすというのは大変厳しく、相当なカロリーを消費しなければならない。



 だから、ボクサーは水分を抜いて減量するしか方法が無い。特に亀田は試合の1週間前から水分を抜いて減量をしていたというが、熱中症などのリスクも相当あるとのことで、大変に危険な状態になる。
 最近では世界タイトルにも挑戦した事のある赤穂亮が、日本タイトルマッチ直前に減量しながら体調不良で救急車に運ばれるという事があった。結果として防衛戦は白紙になってしまったのだという。比嘉もパニック障害などで救急車へと搬送されたとのことで、フライ級での戦いが限界に近づいていたのは事実だ。

過酷でも、どうしてもやらなければならない時がある。

 これは具志堅会長の肩を持つわけでは無いが、どうしてもやらなければならない時がある。そうなのだ、それが興行なのである。どうしても故郷の沖縄でやらせたいと考えていた防衛戦からまだ2カ月しか経過していない。村田諒太との抱き合わせとはいえ、テレビに映る事があれば白井・具志堅ボクシングジムはまたクローズアップされるだろう。
 だからといって、フジテレビを一概に責める事も出来ない。昨今、ボクシングが全く取り上げられなくなっている中でこのようにして中継を組むという事は、大変貴重な機会である。具志堅会長の事だから、断るにも断れなかったのかもしれないが、ただ安全性を考慮できなかった事は重大なミスだ。具志堅会長の責任は免れないだろう。



 一方、「フジテレビって糞だ」と思う人も居るかもしれない。確かに短いスパンの中でこのようなオファーをする事は何も分かっていないと断罪されても致し方ない。テレビのオファーが貴重だったとしても。
 この事を分かった上で敢えて論じるならば、やはりそれを選択してしまったのは比嘉陣営だった、その判断が今回の悲しい事態を招いてしまった。

誰かを悪役にしてスケープゴートにしていては未来が無い

 今でさえも「具志堅が悪い」というような風潮が現れているが、それでは何も解決しない。確かに憤りを感じたり、言いたい事があるのは分かる。だが、一歩引いて考えてみて欲しい。これは日本ボクシング全体の問題にもかかわって来る。
 減量で苦しんでいるのは比嘉だけではない。長谷川穂積は試合の度に過酷な減量に挑み、そしてそれを苦にしたからこそフェザー級に上げた。井上尚弥も成長と共に階級変更を出来るようになった。だが、それは長谷川や井上は経済的にも余裕があるジムだからこそなのかもしれない。
 世界タイトルマッチで入って来るファイトマネーは3000万前後と呼ばれている。そのうち大体33%が徴収されるので、1000万円はジムに入ると考えよう。興業を打つだけでも苦労しているボクシングジムにとってはビッグビジネスになるのだ。加えて、テレビに出る事が出来ればジムに素晴らしい恩恵を齎してくれる。階級転向が出来なかった背景にはそれがあるようにも思える。



 誰かを悪役にしてスクラムを組む時代は、もう終わっている。どうすれば適正体重を維持して安全に試合を運営する事が出来るのか。JBCだけでなく、ボクシングに携わる者全てに対して今警告が発せられているのだ。

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9 件のコメント

  • 果たして、最終的にOKの判断をしたのが比嘉大吾だったのでしょうか?具志堅なりフジテレビなりが「YES」と言わさざるを得なかった状況を作ったのではないでしょうか?アメリカのトップ選手と同じように考えてはいませんか?

    比嘉の本音は、2月の防衛を最後に階級を上げたかったと思う。しかし、具志堅との師弟関係や日本のジム制度を考えれば「NO」と主張出来る環境があるとは思えませんね。

    • ほんとそれ。比嘉自身にNO何て言える権利あるわけない。それが日本社会だと思うわ。これは具志堅が一番悪い。選手は試合させるための道具じゃねーつーの。愛情もって接してやれよ。計量失敗した比嘉にマスコミに対して選手を信用してたとかいうコメント。比嘉に責任転化させてさ。怒りすら覚えるわ。いつかの名護だって、戸高に負けた直後 戸高の半分も練習してないとか。いやいや、あんたが練習させろよとか思った記憶あるわ。普段の師弟関係がよくわからないな。具志堅はよくタレント活動してるし、選手はすたっふに任せて放置なんじゃないの?

      • 確かにそこについては良く分からないですね。あくまで自分の記事は考察の段階でしか無いわけですが……。
        比嘉陣営にNoという選択肢が無かった、というならばもっともっと大元の興行主、即ちこの興行を組んだ人が悪いという事にもなりそうですね。

    • きちんと読んでくださった上にコメントまでいただき、ありがとうございます。
      確かにボクシングジムというのは師弟関係的な側面が強いのでそのようになる可能性は、決して否定できないでしょうね。

      テレビは入るということで、尚更断れない状況に陥ってしまった…。これもあるでしょう。

      ただまあ、いくらなんでも世界タイトルマッチの2月後ということを考えると、比嘉や野木トレーナーがNOと突っぱねる選択もあったのでは?
      という考察的な面があることもご理解くだされば幸いです。

  • 自分は誰(選手も含め陣営)が悪いという論調でいいと思ってます。いかなる理由であったとしても、体を作れなかった比嘉本人と陣営が悪いです。状況的に可愛そうだとも思うけど、それは感情であって、だからルールを破っていいってことじゃないし、仕方ないよね悪くないとはならない。軽量を守れないのはボクサーとして失格なのは明確であり、悪い。

    • なるほど!
      仰る通り、事実と結果という事で鑑みれば比嘉陣営の責任は明らかですね。

      ボクシングの試合は契約とビジネス的な要素によって成り立つので、その点については同意致します。体重を作ってこれなかったのは明確な契約違反ですからね。

  • ちょっと考えが浅くないですか?
    なぜボクサーが減量するか、理解出来ているとは思えない記事です。
    なぜボクサーが減量するかが分からない人はこの題材を記事にすべきではありません。
    長谷川にしても井上にしても、減量苦を理由に階級を上げた訳ではありませんよ?

    • >なぜボクサーが減量するかが分からない人はこの題材を記事にすべきではありません。
      嫌です、これからも積極的に書いていきますので宜しくお願い致しますね。

      あと、井上は明確にフレームが大きくなっている為に減量苦が予想された事に間違いはありませんし長谷川はバンタム級終盤には毎回減量がきついと言っていたのですが。

      ただまあ、減量について知るのは良いかと思いますので、今後何かしらそれについては企画するかと思います。

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